第六回うつ病の人とのコミュニケーションその②思考の悪循環を抑制する

2015年 6月 15日

こんにちは、宮原です。

僕は1年半ほどの期間うつ病経験者で、いま毎月うつ病に関するコラムを書かせてもらっています。

第六回では、うつの人とのコミュニケーション方法に関してお話しています。どういった対応がうつ病の人にとってセーフなのか、アウトになってしまうのか。その基準について続けていきますが、今回は、

  • 「思考の悪循環」を「抑制させる」ことがキモです
  • うつ病は「真面目な人」だけがなるもの?

についてお話しします。が、その前にサラッと前回のおさらいをしちゃいましょう!

<前回のおさらい>

うつ病の人は、「思考の悪循環」といううつ病を悪化させる悪循環のパターンにハマりがちで、そのせいで症状・状態が悪化していきますよーというお話をしました。

6回①

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、うつ病の周囲にいらっしゃる方には、まずこの「思考の悪循環」を理解してもらいたいのです。なぜなら、この「思考の悪循環」を知ってもらうことが、うつ病の人への対応基準の理解に必要不可欠だからです〜。

<身近な人がうつ病の人にとるべき対応の基準>

さて、続いて本題の「うつ病の人とのコミュニケーションで、とるべき対応」にいきます。まず結論を言いますが、うつ病の人と接する際には『思考の悪循環を抑制させる』ことを目指しましょう!

 

大事なことなので、もう一度繰り返しますね。うつ病の人と接する場合は、『思考の悪循環を抑制させる』ことを念頭に置きましょう!!

 

なぜ「思考の悪循環の抑制」を目指すのかというと、

  • うつ病悪化という悪循環の抑制に繋がるから
  • うつ病の人がして欲しいと思う行動、言動に直結してる場合があるから

です。悪循環をストップさせ、また、うつ病の人が求めていることにも繋がる。良いことづくめですね。では、肝心の「思考の悪循環を抑制させる」ためには、どう接すればいいのでしょうか?

次の2つの方法があります。

 

まず、1つ目。「安心感」を上げることです。

 

「安心感」という言葉だけでは足りない・分かりづらいかもしれませんので、他の言葉に置き換えると、次のような感じでしょうか。

  • 「僕・私は、ここにいてもいいんだ…!」感
  • 所属感
  • 居場所感
  • 「安息の地」感

上記を含める「安心感」を上げるような行動・言動で、うつ病の方と接すると良いでしょう。
つぎに、2つ目。「負担感」を下げることです。

 

これも別の言い方をしてみましょうか。

  • 「自分は、なんてダメなヤツなんだ…」感
  • 孤独感
  • 疲労感
  • 自責感

これら「負担感」を下げるような行動・言動でうつ病の方と接することでも、非常に素晴らしい効果が現れるでしょう。

6回⑤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6回⑥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この回では、

  • うつ病を悪化させる「思考の悪循環」というのがある
  • うつ病の人と接する際は、思考の悪循環を抑制させるために、「安心感(いてもいいんだ!)」をアップさせる、もしくは「負担感(自分はダメな奴だ…)」をダウンさせること!

ということをお伝えしました。

<次回の予告>

さて、<その3>では、僕自身の経験から

  • 「やって欲しかったこと」と「思考の悪循環の抑制」
  • 「やって欲しくなかったこと」と「思考の悪循環の促進」
  • 最終的に、困ったとき間違いない方法

といったことをお話させて頂きます〜。弊サイトでは、他にも様々な立場の方のうつ病体験談など掲載していますので、お時間あれば併せてご一読どうぞよろしくお願いします〜!!

 

<閑話休題:必ずしも、「真面目な人」だけがうつ病の深みにハマるわけではないと思うんです>

少し余談になります。よく、うつ病関連の入門書であったり、テレビやネットなどで「うつ病は真面目な人がなりやすい」といったフレーズを聞いたりします。しませんかね?
これは、あながち嘘ではない、といいますか、確かにその一面があると思います。何でも真面目に正面から取り組むクセによって、困難な問題に対しても「もっと頑張らないと」と思い、実際行動してしまう。その結果、心身の疲労からうつ病になる。という流れでしょうか。
しかし、その他にも、先ほどの「思考の悪循環」の図にもある「べき思考」や、「罪悪感と自責の念」を感じやすい思考のクセを持っている人も、同様にうつ病になりやすいのでは?と思っています。
僕自身、うつ病になった後に、何人かの人に「うつ病ってことは真面目なんですね」「真面目に物事を受け止めちゃうんですね」と言われたことがありました。しかし、残念ながら僕はあまり真面目ではありません。
では、どうして「思考の悪循環」にハマってしまったかというと(つい最近自覚出来るようになってきたのですが)、「普通に考えて、最低限この程度は◯◯が出来て当然だ。やるべきだ。」という『べき思考』と、
「やってしまった…俺のせいで、みんな(Aさん・Bさん・Cさん・Dさん………Xさん・Yさん・Zさん)に迷惑をかけて困らせてしまった…そしてガッカリさせて失望させてしまった…」、といったようにメッチャクチャ過剰に自分のせいと受け止めすぎてしまうクセがあります。「罪悪感と自責の念」というパターンです。
決して僕は真面目なタイプでは無いのですが、これら「べき思考」と「罪悪感と自責の念」という、2つの思考パターンのクセによって、思考の悪循環に歯止めが効かなかったのでしょう。
僕の場合、仕事が原因でうつ病になりましたので、

  • 「入社◯年目なら、誰しも◯◯程度の仕事は出来て当然、出来るべき」
  •  ちょっとしたミスや、ミスとも言えない行動でも、いちいち「自分のせいで…」と大袈裟に考え過ぎた

といった感じで、自分の首を締めてしまいました。
お読み頂いてる皆様のなかにも、「真面目」という表現ではなく、『無駄に意思や考えが固い』『柔軟な考えが苦手』という言い方・表現でハッとする方がいらっしゃるのではないでしょうか?なので、うつ病というのは、必ずしも「真面目な人」だけがなるものではないのです、きっと。

 

 宮原直孝 一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事 1984年 長野生まれ。 会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。 転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。 現在はヘラヘラしながら、 ・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」 ・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」 ・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」 などを行う。 抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

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