こんにちは&はじめまして、宮原です。
以前、1年半ほどの期間うつ病だったことがあり、その頃の体験談なんか含めて、毎月うつ病に関するコラムを書かせてもらっています。このコラムの1回目では、「周囲の対応方法、接し方」について、簡単な対応方法を1つだけご紹介しました。
うつ病の方との接し方。これは、うつ病の話になると切っても切れない、大きなテーマです。まず最初に、勝手ながら、僕個人がうつ病の人の周囲の方にお伝えしたいのは、
『うつ病の人と関わるのは、そーとー面倒くさいと思うけど、「めんどくさいなー」と思いながらも、最終的には見捨てないであげてください。』
ということです。
僕個人の体験としてうつ病になると、悲観的になるし、何もしなくなりますし、泣きますし、泣きますし、動かないですし、目が死んでますし、表情も死んでますし、泣きますし、ネガティブになりますし、つまり「え?本当に同一人物?こいつがあいつ??」と思ってしまうほど変化します。変わり過ぎて困ってしまいますね。
しかも、本人も困らせようと思ってやっているのではなく、これらを無意識でやっているからややこしいのです。気づいたら泣いてますし、気づいたら目が死んでますし、気づいたら布団のなかに頭から包まっています。勝手にそうなってしまうんです。
うーん、どう考えても、相当めんどくさい存在ですね。
しかし。しかしです。これだけはセットで知っていてください。いつ治るかについては誰も断言は出来ませんが、うつ病が治れば、その状態からその人は戻ります。様子・言動がおかしいのは病気のせいであり、その人のせいではないのです。
なので、「うつ病って、チョーめんどくさいなー、いやマジで」と存分に思って頂きつつも、うつ病状態の人を見限る・見捨てるのは、なんとか耐えて頂ければなぁなんて、非常に勝手ながら思っています。
さて、そんな僕個人の要望は置いておきまして。今回は、うつ病の人とのコミュニケーション方法について、もう少し詳しく、様々な状況で参考にしてもらえるような情報をお伝えします。
今回はまず、
- うつ病が悪化・悪循環する仕組み「思考の悪循環」について理解しよう
ということをお話しします。そして今回の話を踏まえて頂き、「その2」「その3」という続きでは、より具体的なケースでご説明したいと思っています。やだ、なんかすごくちゃんとしてるっぽい雰囲気の始まり方…!自分でいうのもなんだけど…!!
<うつ病の人の、アウトとセーフが分からない>
うつ病の人に接する場合、皆さん総じてお困りなのが、「なんて声をかけたらいいか分からない」「何が地雷か分からない」ということです。つまり、コミュニケーション取りたくても、うつ病の人にとってのアウトとセーフの境界線が分からないので、どう対応すればいいのか全く判断がつかないんですよね。
その象徴が、『うつ病の人に、「頑張れ」って言っちゃいけない…んだよね……?』という、巷でよく耳にする言葉です。なので、まずはとてもメジャーな「うつ病が悪化するパターン」をご紹介します。その仕組みを理解してもらうことで、どういったコミュニケーションが良いのか悪いのか、うつ病の人にとってのアウトとセーフを理解する足がかりにしてもらいます。
<うつ病は、放っておくと徐々に悪化していきます>
うつ病は、学校やお仕事での出来事、プライベートの人間関係、お金や健康の問題など、様々な環境・状況・タイミングで発症する可能性があります。
しかし、突然いきなりMAXで体調不調・症状最悪の状態になるわけではありません。小さなほころびから徐々に歯止めがきかず悪循環に陥り、その結果、薬物療法や心理療法、環境調整などの治療やまとまった期間の休息が不可欠になってしまうのです。
というわけで、まずはうつ病が悪化していくパターン「思考の悪循環」についてお話します。
この図に、特に決まったスタート地点や設定はありません。どこかしらの項目から時計回りに進み、グルグルと進むことが即ち、うつ病が悪化していくことを意味しています。この一連の思考パターンを「思考の悪循環」と呼びます。うつの人に「頑張れ」と言ってはいけないのは、この思考の悪循環を促進してしまうからなのです。
<うつ病の人が深みにハマる悪循環「思考の悪循環」>
思考の悪循環どうしてうつの症状を悪化させるのかを理解するために、『夜勤のアルバイト』という例で左下「エネルギー消費」という項目から一緒にぐるぐるしてみましょう!
僕は、つい最近、21時〜翌朝5時までというシフトの工場勤務のアルバイトを始めました!「時給が割と良いし、がんばるぞい!」と気合い十分でスタートしました。
ところが…
↓
【エネルギー消費】
思いの外、肉体労働と昼夜逆転のシフト生活というのは肉体的にも精神的にも疲れが溜まることをすぐに実感するようになりました。
「なんか、寝ても疲れが取れないなぁ…。」
↓
【テンション・集中力が低下】
眠かったり、頭がボーッとする日が増え、勤務中の集中力がどうしても上がりません。っていうか、むしろ集中力下がってます。また、仕事がないプライベートの時間でも、以前より余裕がなくなっていきました。
「あー…、なんか、ダルい」
「友達からのLINE返すのめんどいな…」
↓
【色々うまくいかない】
結果、仕事中にケアレスミスを起こすようにもなり、度々職場の責任者に激しく叱責されることが増えてきました。
またプライベートでも、心身の疲れから友人と遊ぶ約束もドタキャンに近い感じでキャンセルするようになっていきました。
「最近、悪いことばっかだなぁ…。」
↓
こういったことが起こる度に、
【こうでなければ…(べき思考)】
「どんな理由があっても、前からしてた約束を守れないなんて、人として最低だ…」
【自分のせいで…(罪悪感と自責の念)】
「自分のせいで、また工場のラインを止めちゃった…。他の人はこんなくだらないミスを頻繁にしてるやつなんかいねーよ……」
【もっと頑張らなければ…】
「ああぁぁ…もっと頑張らないと……こんなことも出来ないようじゃダメだマジで……」
などと思うようになりました。メンタルの状態はかなり悪くなってきています。
↓
【エネルギー消費】(2周目 Start!)
緊張感・焦燥感のなか、また心身ともにキツい深夜帯の職場で時間を過ごしています。
「身体の疲労も以前より更に溜まりやすくなってる気がする……。」
精神的な余裕も無いため、「アルバイトを辞める」という選択肢が思い浮かばなくなってきています。
といった具合で一連の流れで、何周もかけて悪化していくのが「思考の悪循環」というやつです。
別に僕自身は深夜の工場でバイトした経験は無く、この上記の例はたったいま考えた妄想なんですけども、頭の中で思い浮かべるだけで何故か脳内再生余裕で、お腹のあたりがギューって痛くなりましたよ!ヤダもぅー!
<うつ病の人とのコミュニケーションのコツは「思考の悪循環」を止めること>
「思考の悪循環」という、うつ病が悪化する仕組み、なんとなくご理解頂けたでしょうか?うつ病になったことがなくても、何となく身に覚えのある一連の流れだったのではないでしょうか。学校やらお仕事やらプライベートでも、バタバタしている時期は、この流れに陥りがちですよね。
さて、思考の悪循環を理解してもらったのは、うつ病の人とのコミュニケーションを取る際のアウトかセーフか判断できるようになる足がかりにしてもらうためでしたね。詳しくは次回にお伝えしますが、うつ病の人とのコミュニケーションを取る際の肝は「思考の悪循環を抑制させること」です。
抑制とはどういうことでしょう。それはうつ病の人にとってアウト・セーフ、どっちなのでしょうか?!詳しくは<その2>をご覧くださいませー!では、一旦失礼します〜!!

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。