このサイトを見て下さっているということは、ご自身若しくは身近な方にうつ病の当事者がいらっしゃる、またはうつ病について興味関心があるのかと思いますが、うつ病には色々な種類があることはご存知でしょうか?
一言で「うつ病」と言っても、精神病性うつ病・仮面うつ病・更年期うつ病・季節性うつ病・冬期うつ病などなど…多くの「◯◯うつ病」という表記で存在しています。
ハンバーグ屋さんにも、ノーマルのハンバーグだけじゃなく、「チーズインハンバーグ」「デミグラスハンバーグ」「和風ハンバーグ」「煮込みハンバーグ」などがありますね。それらは、普通のハンバーグと共通している部分はありつつも、初見では想像し難いほど味わいや特徴が大きく異なる場合がありますね。
そこで、今回は「非定型うつ病」という種類のうつ病についてご紹介したいと思います。
非定型うつ病は普通のうつ病と反対の症状が出てくる
非定型うつ病とは、医学書を見ると「古典的な内因性のうつ病や定型的なうつ病であるメランコリー型うつ病で見られる症状と対比されるような症状が出るうつ病の一群」のことを言うようです。どうでしょうか?さっぱり意味が分かりませんよね。もしすぐに理解出来る方がいれば、とても勉強されていらっしゃる方だと思います。
そう、「非定型うつ病」のお話をする場合には、先のよく分からない説明にも入っていた「メランコリー型うつ病」についてもセットで少し知って頂く必要があります。
■メランコリー型うつ病とは?
最も典型的なうつ病のことであり、一般的にもイメージしやすい症状が多く現れます。特徴として、まず何をしてもまったく喜びが感じられず、どんなに良いことがあっても、一時的にさえ良い気分にはなれません。
その他にも
- 睡眠障害の症状の一つでもある「早期覚醒」によって空がまだ暗いうちから目が覚めてしまう
- 食事をしないために、体重が何キロも減ってしまう
- 朝起きた時から午前中は特に気分が悪い「日内変動」が起こる
- 思考や動作が抑制されて緩慢になる「精神運動制止」といわれる状態が起こる
- 焦燥感によって逆に気持ちが落ち着かず、立ったり、座ったりしてしまう
- 通常時よりも過度に罪責感を感じてしまう
と、いった症状が目立ちます。こうした特徴をもつうつ病を、「メランコリー型うつ病」と呼びます。説明の最初にもあります通り、メランコリー型うつ病とは「最も典型的なうつ病」、つまり「定まった型のうつ病(定型うつ病)」であるのに対して、それと大きく異なる、むしろ反対の症状や特徴が現れるのが「非定型うつ病」になります。
■非定型うつ病とは?
メランコリー型とは反対に、何か楽しい・良いことが起こったり起きたりしそうな場合には反応して(一時的の場合もありますが)気分が明るくなることが特徴です。また、メランコリー型とは逆に、「食欲が増して体重が増える」「寝過ぎる」といった過眠・過食という症状もみられます。他に大きな特徴として、「手足が鉛のように重く感じる」という症状もあります。
一般的なうつ病とは「逆に」「反対に」といった症状ばかりなので覚えにくいというかイメージしづらいかもしれませんね。しかし、こういったタイプのうつ病もあるんだ、と少し覚えて頂くことでもうつ病に対する認識がきっと変わっていく部分があるかと思います。
また、非定型うつ病は性別的には男性よりも女性に多く見られると言われていますので、皆さんの周囲に「最近、ふっくらしてきた」「休日も含めて最近寝てばかりらしい」「テンションが落ちてる時と上がってる時、どっちも最近よく目にする」といった女性の方がいらっしゃらないか、ほんの少しだけ、気にしてみてください。

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。