こんにちは。初回の「うつ病の初期症状」では、「うつ病の初期症状」「非定型うつ病」、そして「周囲の方の対応」という3点についてお話させて頂きます。もし「お?」と気になる項目がありましたら、目を通してみてください。
うつ病の代表的な初期症状
まず「うつ病の症状」と聞くと、身近にうつ病の方がいなくても何となく次のようなイメージをお持ちだと思います。
「ずっとテンション下がってて、気持ちが落ち込んでるんでしょ?」
「あと、眠れなくなっちゃったりするんでしょ?」
「それと、何か頑張れないんだよね。だからウツの人に頑張れって言っちゃいけないんだっけ?」
そうですね、上記のようなことはうつ病の症状として代表的なものです。
最初にうつの代表的な症状について、身体に現れる症状と精神に現れる症状を続けて列挙していきたいと思います。
<身体症状>
- 眠れない(特に朝早く目が覚める、ぐっすり寝た感じがしない)
- 食欲がない(体重が減る)
- 一日の中で体調の変化が大きい(午前中の調子が悪い)
- 疲れやすい
また、寝すぎる、食べ過ぎるといった症状がみられる場合もあります
<精神症状>
- 一日中重く憂うつな気分が続く
- 気力が減退して何もする気が起きない
- 頭が働かない
- 集中力が低下する
- 自分を責めてしまう、なんでも自分が悪いと思ってしまう
- 死にたいと思う
- 不安感や焦る気持ちが強い
- 何をしても楽しくない
当サイトに掲載しています体験談インタビューにおいても、「経理伝票を間違って書いたらどうしよう、会社に迷惑をかけて、仕事のできない人だと評価されたらどうしよう、と強く不安に思うように」と、強い不安感についてお話された方や、「午前中に微熱を出すことが多くありました」と、午前中に調子が悪くなる日内変動の可能性を思い出される方がいらっしゃいました。
代表的な症状以外に起こりうるうつ病の初期症状
ご紹介した症状が2週間以上続いている場合、うつ病と診断される可能性が高いです。この他にもうつ病の初期症状として起こりうる疑うべき症状があります。以下に列挙していきますが、きっと種類の多さにビックリすると思いますよ!!
<身体症状>
- 眠れない(寝付けない、眠りが浅い)
- 性欲がわかない、生理が止まる
- 朝が起きにくくなる
- 無理がきかなくなる
- なんとなく体調が悪い
- 体が重い、だるい
- 頭が重い、肩が凝る
- のどが渇く、便秘になる
- お腹が張った感じがする、胃が重い
- ふらふらする
- 動悸がする、息がしにくい感じがする
- 耳鳴りがする、味覚が変化する(美味しいと感じない)
- 腰痛や関節痛がみられる
<精神症状>
- 気分が沈む、憂うつな気分が続く
- 何をするのも億劫に感じる
- 仕事の能力が低下する
- 集中力が低下する
- 皆に迷惑をかけている気持ちが強くなる
- 自分に価値がないと感じる
- なんとなく不安
- 楽しかったものに飽きやすい
- 自信がなくなる、劣等感を感じる
- むなしい、寂しい
- 将来について悲観する
- 不幸だと感じる
- 泣きやすくなる
- 決断力が低下する
- 自分の容姿が醜くなっていると感じる
- 大きな病気ではないかと過度に心配になる
- 人に会いたくない
- 何かにこだわる
- 皆が自分を嫌っていると感じる
- 過去のことをくよくよ考える
- 口数が少なくなる
いかがでしょうか?本当に多いですね。キーボードを打ちながら「多いなぁ〜」と思いました。このように様々な症状がありえるわけですが、きっと、「え?!そんなこともうつ病の症状にあるの??」という項目もあったかと思います。長々と列挙していきましたが、注意して欲しいのは、うつ病にかかった方全員が全ての症状(代表的な症状以外に起こりうる症状)を網羅するわけではないということです。
例えば、
和・洋・中と様々なメニューがありますが、一皿に食事を取ってきた時、各々の食事の内容(種類と量)は必ずバラバラですよね。ローストビーフだけをたんまり取ってくる人もいれば、ハム・ポーチドエッグ・サラダ・トーストなどを揃えてくる人、色とりどりなケーキとフルーツを盛ってくる人などなど。同じビュッフェに行っても、多くのメニューの中から必ずしも全員が同じものを選ぶなんてことは起こりません。うつ病の症状においても同様で、身体面と精神面の変化の現れは、人それぞれにばらつきがあるということを気に留めて頂ければと思います。
うつ病の原因もそれぞれ
また、ビュッフェに行く時、どんな流れで皆さんは行きますか?「そんなの、時と場合によるんじゃ?」。そうです、その通りですね。例えば、次のような場合があるでしょうか。
- 友人に偶然誘われてついて行った
- 雑誌で「ビュッフェ特集」の記事が組まれていて興味を持って1人で行った
- スマホのニュースアプリでたまたまオススメしていた
- 知人の結婚式でホテルに行ったときにビュッフェをやっていることを知って興味を持った。
などなど、様々なパターンがあると思います。うつ病になるキッカケも、これと同様で人それぞれです。メジャーな経緯として、「会社の仕事が忙しくストレスが溜まり、うつ病になった」という場合がありますが、会社内での問題だけが原因となるわけではありません。
癌を宣告されたことによるショックや、家族を失った悲しみなどが引き金になる場合も。また、更年期(初老期)においてホルモンの減少・変化によってうつ病が引き起こされる場合があります。一般の臨床現場から経験的に言われているのは、「昇進・左遷・降格」といった会社内での変化や、「転居、家族成員の移動(死亡、子供の結婚、同居人の増減=姑との同居や、子供が自立して家を出る場合や、子供の誕生など)、愛着するものの喪失」といったプライベートの人間関係や生活での変化や「自分や家族の病気」という健康問題などがあります。
さて、「うつ病の初期症状」について、そしてうつ病の原因についても少しお話させて頂きました。理解しやすいものもあれば、正直「え、何それ?!」と思ってしまうことまで様々あったかと思います。なので、『人間の身体には色々なキッカケで色んなことが起こりうるんだなぁ』ということを覚えておいてもらえればと思います。

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。