(うつ病体験談)41歳 男性 会社員(後編)

2015年 10月 4日

(前編はこちら)

転職のためにやれることはすべてやった

転職活動をするも、転職先が見つからず、電車に飛び込みたいという衝動に駆られる時もありました。藁にもすがる思いで以前の上司に家族もいるし働かなければいけない、助けて欲しいと相談をしました。頑張りすぎて休むということを繰り返していてもマイナスを増やすだけだと諭され、自分と同じようにうつ病で苦しんだ経験を持つ人を紹介され、話を聞いてもらったりしました。

 

転職活動だけだと苦しくなってしまうので、映画や運動、フラワーアレンジメントなど自分の好きな事も日常生活に取り入れる事でバランスを取るようにしていました。友達に勧められて寺に修行にも行きました。体調をよくするために良いと思ったことは何でもやりました。それくらい、今の状況を何とかしたいという気持ちが強かったのだと思います。

 

何とか一年後に転職先が決まりました。休まず頼まれたことは何でもこなして会社からの評価もまずまずでした。しんどくなることもありましたが、1、2日休めば元に戻ったので長く休むということなく仕事は続けていられました。体調を維持できていたので、キャリアを積むために再度転職しました。3か月の試用期間ではめちゃくちゃ働きました。引継ぎが上手く行かなかった仕事を引き受け、その周辺で起きる様々な問題を処理しなければならなかったのです。その影響か、胃腸の調子を壊して声も出せなくなってしまいました。調べてみると声帯ポリープが出来ていました。声が出ないと仕事にならないし、医師からも体がきちんと動いていない機能障害状態だと言われ、1か月仕事を休むことになりました。

 

1か月の休職で体調は完全には戻っていなかったのですが、見切り発車で復帰。やらないといけない仕事はどんどん増えていきました。

 

何とか体は持ちこたえていたのですが、2か月後に眼圧が上がった事をきっかけに、また休んでも体調が戻らない状態になり、1か月休職。現在は復職していますが、会社の業績も芳しくなく自分の体調への不安もあってなかなか安心ができない状態です。

繰り返す体調の波の原因は何なのか?

自分とうつ病の戦いは新幹線のようだと感じます。海が見えたと思ったらトンネルに入ってしまい、また海が見えたと思ったらトンネルという繰り返し。今はまだ自分の体調をどうコントロールすれば良いのか試行錯誤の連続です。それでも、何とかしなければいけないという気持ちは持てています。

 

こうやって振り返ってみると、自分は気持ちのコントロールができず、何でもやりすぎてしまう、ほどほどにしておくことができないのだと思います。仕事などを頑張りすぎるのもそうですが、例えば「これ言ったら怒るだろうな」と思っても言ってしまうとか。良い方にも悪い方にも超えてはいけない一線を越えてしまうという傾向が昔からあります。

 

仕事については、これは明日何が起きるか分からないという仕事の性質の影響も大きいです。だから今日できる事は今日やってしまおうという事になって、仕事がなかなか終わらない、仕事が忙しくなってくると翌日に回さざるを得ない仕事が増えて心配で眠れなくなってしまうという悪循環が生じています。

 

あとは、気持ち的にも怒りや哀しみを表現できずに自分の中に閉じ込めてしまう傾向があり、これが続くと体調が戻らなくなっていきます。こういう自分の特徴も知らず知らずに「人の間に入って調整する」という自分の資質によるものなのかなと思います。だから気持ちをコントロールしていかねばと思うのですが、それができない。怒りや哀しみはある事は感じるけど、それが消えていってしまうような感覚を持っています。

うつ病と闘っている人に伝えたい事

悩みや原因は、それぞれ個別にあるものなので、なかなか人に分かってもらえない、その苦しみは自分自身だけのもの、ということは事実であろうかと思います。また、自分の事だって全て分かることは難しいのに、ましてや他人の事をちゃんと理解する、というのは、ひょっとしたら、医者だってできないことかもしれません。

 

でも、人間、決して独りぼっちじゃありません。苦しくて、しんどい時、落ちている時には、孤独感に追い詰められること、自分の存在意義が見出せなくなることがあるでしょう。でも、ちょっとだけ持ち直した時に、下ばかり見ていた目を少しだけ上げてみると、誰かがきっとその視線の中に映ることと思います。自分一人で抱え込むと、それはしんどくてたまらないので、世の中、時には誰かに頼る、力を貸してもらう、で構わない。助け合って人は生きていくものだと割り切ればいい。

 

「うつと闘う」というよりも、「自分の中の『うつ』を受け入れる」、くらいの気持ちが丁度いいのかな、と最近は思います。

 

そりゃ、「さよなら」したいものだけど、自分の中にある、自分の側面の一つであるなら、
どこまでも付いて回ってくるのは仕方ない。「元気な自分」も引っ張り出しながら、折り合い付けていこう、というのが今の僕の対応方法です。

 

皆さん、それぞれに異なる方法で対応している事でしょうけど、命だけは大切に、苦しくても生きていくことを選択してくれたら嬉しいです。そしたら、いつかお互いの「うつ」をシェアできるかもしれませんので。

うつ病と闘っている人に聞きたい事

今、一番しんどいことはどんなことですか?力になってもらえる人、頼れる人はいますか?

 

僕は人に相談する、自分自身の本音を全てさらけ出す、そういうことができない性格でした。今も、そういうところは往々にして出てしまいます。皆さんは、人に相談したり、自分のある種弱みみたいなことを、ちゃんとさらけ出すことに抵抗はあったりしませんか?

 

こういうことをしたら、少し気分が楽になった、そういう方法についても教えてもらいたいです。何でも試してみたいので、宜しくお願いします。

 

(上記3つの質問にうつ病経験者の方が回答くださいました。こちらをご覧ください。)

うつ病の家族がいる人に伝えたい事

ご家族がうつ病を抱えていらっしゃると、家庭もどうしても暗くなりがちになってしまったり、支える側もうつ病になりかねないような状況になりやすくなると思います。我が家も、支えてくれる家内への負担が心配です。

 

でも、今は「うつ病」に苛まれているご本人には何の余裕もないのでしょうが、ご家族が、とにかく傍にいてくれれば、「治る」までいかずとも、「軽快する」ものです。そうすれば、支える側がしんどくなった時に、逆に支えてもらうこともできたりします。

 

「うつ病」というマイナスイメージの塊が、「家族の絆」を強めて、他愛ない事から悩み事まで話し合える家族、ってのに役立つこともありますので、どうかそっと傍にいて見守っていてください。