第七回うつ病の再発予防その①なぜ僕は「うつ病は再発する」ことを認められなかったのか?

2015年 8月 31日

 

こんにちは。当サイトでうつ病に関するコラムを書かせてもらっています、宮原です。

 

この「pint story」のメインコンテンツの1つとして、うつ病をはじめとする精神疾患を経験した方、そしてそのご家族の体験談があります。「お〜、色んな人が色んな経緯でうつ病になったんだなぁ〜。こんなに盛り沢山な内容が掲載されてるだなんて、素晴らしいなぁ〜〜」と完全に身内びいき目線になりつつ改めて記事を読み返していた時、ふと気付きました。

 

それは、

 

「一度うつ病になって休養する → 体調が戻る → 社会復帰 → またうつ病が再発する」というパターンの方のエピソードがちょくちょく目に付くのです。

例1:うつ病体験談:50歳 男性 電機メーカー企画系事務

例2:うつ病体験談:32歳男性 会社経営(前編)

 

そうなのです、実は『うつ病は再発する』のです。というわけで、この第7回では、『うつ病の再発』をメインテーマにお話させて頂きます!

うつ病の再発率について

『うつ病は再発する』といいましたが、再発率に関するデータに次のようなものがあります。うつ病の方を長い期間追った研究なのですが、

  • 患者の50〜60%が再発を経験
  •  再発して2回経験した方のうち70%が3回目を経験
  •  3回目を経験した方のうち90%が4回目を経験

つまり、一度うつ病になった人は半分の確率で再発し、そのあと再発回数が増える毎にますます再発しやすくなる傾向がある、ということですね。また、うつ病の再発パターンも色々あり、「1年のうちに何回も繰り返して再発する」「数十年後に再発する」といったように、一様に再発といっても、その時期や間隔は様々です。

でも、病気が再発するのって、割と当たり前じゃないですか?

先ほどの再発率のデータを初めて見て、『ヒィィイッ!確率高くない?!』と思った方がいらっしゃることでしょう。

 

また既にどこかで「うつ病の再発率は高い」と聞いたことがあって、『そうらしいよねぇ…マジかよ……』と思った方もいらっしゃったかもしれません。

 

僕自身、うつ病の症状が落ち着いてから暫く経ってからも長い間、『うつ病は再発率が高いらしい…けども、そんなのウソだ…イヤだぁあッ…!』という風に、心のどこかでずっと意識していました。ですが最近は、「病気なんだから、再発するのって別に珍しくないよね」と思うようになりました。
例えば、多くの方がお持ちの高血圧や糖尿病、アレルギーなどの持病は、再発どころかほぼ一生のお付き合い状態になっているケースもさして珍しくないかもしれません。病気は突然かかるものです。そして、多くの病気は再発する可能性があり、実際に再発するケースは多々あります。「ふとした瞬間に突拍子もなく再発する」というのは、病気なんだから当たり前っちゃ当たり前なのですが、僕は長い間、うつ病に対しては実際なかなかそう思えませんでした。認められなかったのです。それは何故か?理由は2つありました。

僕が再発を認められなかった理由その1:「精神的に強くなったのだから、再びうつ病になる事なんてありえない」という考え

まず1つ目ですが、『うつ病というシンドい経験をした僕は、精神的に強くなったのだから、再びうつ病になることなんてありえない』と思い込んでいたからです。

 

若干恥ずかしいのですが、僕は心のどこかで、うつ病という非常にシンドい経験をしたことで、何かしらメンタルの能力がアップしているような錯覚に陥っていました。

例えば以前よりも、

 

  • 焦らなくなる
  •  プレッシャーに強くなる
  •  心にどこか余裕を持っている
  •  感情をコントロールできるようになっている

といった感じです。ヤバい、相当恥ずかしい。

 

うつ病を体験すると、人によって様々なものを失います。まず、時間ですね。休養している最中の時間。そして、僕のように会社を退職した方は、仕事・社会的身分を失います。それに伴って、収入・お金も失いますね。また、人によっては友人やご家族など身近な人との人間関係に影響が及ぶ場合もあるでしょう。

 

そういった諸々の辛い経験した後なので、元の体調に戻った場合、昔の自分よりも、ついつい強くなった気がしてしまうのです。

 

「これだけのものを失った経験をしたんだから、何かしら成長しただろう」と。

 

幼い頃に読んだ漫画『ドラゴンボール』で、「サイヤ人は重症を負ってから回復すると、以前より遥かにパワーアップする」という設定があったのですが、その影響を受けていたのだと思います。漫画大好き!

 

しかし、これは、大きな勘違いです。特に何も成長していません。どうやら残念ながらサイヤ人ではなかったらしい僕が、「うつ病前より精神的に強くなっていない、特に何も成長していない。マイナスから元のゼロの状態に戻っただけだ」と気づくのには時間がかかりました。恥ずかし過ぎる。

 

僕が再発を認められなかった理由その2:「これ以上ダメ人間になりたくない」という心配

「うつ病は再発するもの」と認められなかった理由の2つ目は、『うつ病の期間に感じた自分自身に対する恥ずかしさが、体調が戻った後も暫く残っていたから』です。

 

僕は、うつ病になってから療養期間中、

 

「うつ病になったのは、完全に100%自分の責任・ミスであり、こんなことになってしまって恥ずかしい恥ずかしい、あぁぁ人生の黒歴史そのものだ〜」

 

と、過剰に思っていました。後々知ったのですが、うつ病の症状の一種で、「自分を責める・自分はダメ人間であると思う」というものがありますが、まさにこれだったのです。それと気付かず、症状が落ち着いてからも、暫くはその考えに縛られていました。なので、とてもじゃないですが再発することを認められなかったのです。

「うつ病は再発する」ことを知って、再発予防策について考えよう

ということで、今回のテーマが「うつ病の再発」ということで、再発、再発と連呼してしまいましたが、うつ病を体験した当事者だった方、もしくは周囲の方でも、再発の可能性を全く知らなかった方もいらっしゃると思います。もしくは、以前の僕のように、リアリティをもって受け止められなかった方もいると思い、まずは再発、再発と連呼した内容とさせて頂きました。

 

しかし、最後に言うのもなんですが、再発したくないですよね。超当たり前ですけども、出来ることならば、死んでも再発なんかしたくないですよね。そこで次回は、「どうすれば再発を予防はできるのか?」についてお話します。再発率が50%から20%まで下がる方法なので、ぜひぜひ引き続きご覧い頂ければ幸いです〜!

 

(参照)

臨床精神医学 」第35巻増刊号 うつ病—維持療法 株式会社アークメディア

「専門医が教えるうつ病」野村総一郎 幻冬舎

 宮原直孝 一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事 1984年 長野生まれ。 会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。 転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。 現在はヘラヘラしながら、 ・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」 ・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」 ・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」 などを行う。 抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

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