第五回五月病&うつ病後の就職・転職活動その④「病気の事を言わないとどうなる?」

2015年 4月 25日

こんにちは、うつ病コラムを書かせてもらっています、元うつ病の宮原です。

今月のテーマは「五月病&うつ病後の就職・転職活動について」です。<その③>に引き続き、今回も弁護士先生に、うつ病後の転職・就職活動時の疑問を聞いてみたのでご覧くださいませ〜。

ちなみに、その③では、次のことを聞いてみました〜。

  1. 元うつ病だったことは企業に隠しててもいいのかな?
  2. いまも、現役でうつ病の場合は?
  3. 入社した後に「前職はうつ病で退職した」と発覚した場合、採用取り消し・解雇理由になったりする?

そして、今回、弁護士先生に質問してみたのはこちら!

  1. 職務経歴書や履歴書に休職期間は記載しないといけないの?
  2. 「うつ病」を理由で企業側が採用を見送ることは法律的に問題ないの?
  3. その他に、元うつ病とかを隠すことが問題になる場合があれば教えてくださーい!
  4. 会社側が、法律を無視して、うつ病などを原因に解雇通告してきた場合などはどうすればいいですか?

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Q4.休職期間がある場合、職務経歴書や履歴書に記載しないといけないのでしょうか。

A4.弁護士先生からの回答

職務経歴書や履歴書に休職期間を記載する欄があれば別ですが,特にそのような欄がなければそれを申告する法的義務はありません。

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あ、そうなんだ…!

ちなみに職務経歴書とは、時系列に沿って、これまでの企業でどんな業務・経験をしてきたか具体的に記載した書面のことです。転職活動の場合、履歴書と一緒に提出する場合が多いです。

僕自身、うつ病で退職した後に転職活動を始めた際、「(本当は休職期間の部分は具体的に書かないといけないのかなぁ〜。でも、正直に書くとマズい気がするから、隠しておこう…!!)」と、本来書くべきなのか、そもそも書く必要無かったのかよく分からず、とりあえず書かずにいました。

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Q5.企業が過去に精神疾患になった事を聞くということ、そしてそれを理由に採用を見送ることは法律的には差別など特に問題はないのですか??

A5.弁護士先生からの回答

採用側が,過去に精神疾患になったことを聞いて,それが理由で採用を見送るということは,法律上は特に問題にはなりません。企業が誰を採用するかは,原則として自由だからです。

ただ,一般に企業の採用基準は秘密ですので,あからさまに「過去に病気だったから」ということは告げないと思います。

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あ〜〜〜〜。そうですよね〜〜、採用選考で、どんな理由で落とされたのかなんて、真相は闇の中って感じですもんね。お〜、なんか妙にリアルでグサッときましたぞ〜〜!労働基準法など働くことに関連する法律は多々ありますが、採用時っていうのはその法律の制約から外れるっていうことなんでしょうね〜。

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Q6.その他で、就職活動時に元うつ病だった過去・もしくは現在もうつ病であることを隠して入社した場合に、発覚する・しないに関わらず問題が起こる場合があれば教えてください、オナシャス!

A6.弁護士先生からの回答

特に就職の面接などで,うつ病とかその他精神病歴を聞かれた場合に,嘘を答えると虚偽申告になりますので,注意が必要です。場合によっては懲戒や解雇の問題も生じ得ます。
そこで,虚偽の事実の申告にならない範囲で回答をすることになるかと思います。場合によっては,就労には全く問題ないという診断書などを提出するということも考えられるかもしれません。聞かれなかった場合で,会社の求める労務提供に問題がないということであれば,以下裁判例が,一応の参考になるでしょう。

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前回の<その③>での質問に対する回答でもありましたが、やはり「面接時に健康・体調に関すること、うつ病に関することを質問された際に嘘をついてしまうかどうか」というのがポイントのようですね。そして、嘘をついていたのが発覚した場合、懲戒・解雇という問題になる場合もあるよ!と。コワイィィイイ!!

ちなみに、「以下裁判例」とは、次の通りです。(東京地裁判決平成24年1月27日)

とある大学が、その大学の教授を解雇しました。なぜなら教授は、「実は、自分は以前の勤務先でパワハラ&セクハラで問題になってた」ということを大学に黙っていたからです。大学側はそれを黙っていたことについて「うわー、告知しねぇでやんの。引くわー」等の理由により、教授を解雇するに至ったのです。

これに対して、教授が大学に対して、「解雇は無効だ!」「賃金・賞与の支払い&損害賠償を請求しちゃうよー!」と訴えたのです。

裁判所の判断は,

「告知すれば採用されないことなどが予測される事項について,告知を求められたり,質問されたりしなくとも,雇用契約締結過程における信義則上の義務として,自発的に告知する法的義務があるとまでみることはできない」ということで、要は教授の訴えが一部認容されて、結果的に解雇取り消しとなったのでした。めでたしめでたし。

こんな判例もあるということで、嘘をついたわけでも、全く働けないような健康状態でもなければ、元うつ病だとか今がどうこうなどは自ら言わなくてもあまり問題は無いのでしょうね。

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Q7.もしも会社側がうつ病ネタなどを元に、法律に反して採用取り消し or 解雇の通告という無茶なプレイかましてきた時には、被雇用側としてはどう対応すればよいでしょうか?

A7.弁護士先生からの回答

解雇の理由がないのに解雇されたということですから,解雇の理由の有無をめぐって紛争となります。

会社側から一方的に書面にサインをさせられたり,録音をとられたりすることもありますので,今後の行動には注意が必要です。場合によっては,書面や録音が裁判などに提出され,こちら側に不利になることもあります。

裁判や労働審判などを見据えて,必要な証拠集めなどからはじめなければなりませんので,労働基準監督署又は弁護士などの専門家に相談してください。

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ああぁ…「紛争」とかいう言葉出てきちゃいましたよ?!何だかとってもコワい感じですが、先生は大事なことをいくつも教えてくれました。

「流れでウッカリ証拠が残るような書面にサインしちゃわないこと」
「録音される場合もあるから、売り言葉に買い言葉で発言しないこと」
「弁護士などの専門だけじゃなく、労働基準監督署という選択肢もあること」

社員を守ってくれる良い会社もあれば、こんなありえないような対応をしてくる企業も存在するかもしれません。おかしな相手には、ドーンと構えて冷静に立ち向かいたいですね。

最後に

質問④で少し書きましたが、僕は転職活動中に「(うつ病で休んでたってのがバレたらマズいのかな〜)」と、非常にオドオド&ビクビクしていました。

ただでさえ、うつ病の最中や後というのは人生ワーストくらいに自分に対して自信を喪失しがちですし、更に体力や精神力も充実していない場合も多々あるでしょう。だからこそ、「だいぶ良くなってきた」もしくは「元うつ病だ」という方には、今回弁護士先生に答えてもらったような情報を知ってもらうことで、少しでも自信をもって就職活動に臨んでいってもらえたらと思います。

当サイトは、他にも当事者の方のインタビューなど様々な記事がありますので、もしお時間あれば読んでいってくださいね。

監修:弁護士 竹中一真
 宮原直孝 一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事 1984年 長野生まれ。 会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。 転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。 現在はヘラヘラしながら、 ・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」 ・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」 ・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」 などを行う。 抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

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