第二回うつ病チェックその③うつ病のチェックをしてみて不安を感じたのなら

2015年 1月 22日

こんにちは。第二回のコラムでは「うつ病のチェック」について取り上げています。前回前々回と、いくつか有名なうつ病のチェック基準・手法についてお話しさせて頂きました。そしてラストでは、「もし、うつ病のチェックをしてみて不安を感じたのなら、兎にも角にもお医者さんに行って診断を受けてみてください」という終わり方をしました。

 

今回は、その続きです。このサイトをご覧になっている方には、うつ病当事者の方やご自身で「最近うつっぽいかも」と思っている方もいれば、周囲の身近な方が「うつっぽい」もしくは「現在うつ病だ」という立場の方もいるかと思います。ご自身で「うつっぽい」と自覚されている方は、前回と前々回にご紹介したような評価尺度を用いて、もしくはうつチェックサイトやアプリなどを利用して既にご自身でチェックされているかもしれません。しかし、「うつっぽい」と思うに留まる段階ということは、まだ病院には一度も行っていないのかと思います。また、身近におられる方の様子が最近おかしく、「あの人、うつっぽいな…とは思うんだけど、その人は病院やクリニックといった医療機関に通っているわけではなさそう……。」という場合もあるかと思います。
この両パターン、次のように言えるのではないでしょうか。

 

(1)本人はうつっぽいことに気づいている・自覚しているけど、病院に行かない
(2)そもそも本人がうつっぽいことに気づいていない・自覚していない

 

この(1)と(2)について、少しお話したいと思います。

(1)の場合、「うつっぽい」と感覚的に思ってはいるものの、「うつ病=精神科=ヤバい! or 怖い!」等、何かしらを思い、うつ病や病院が頭にチラつきながらも、実際は受診するに至っていないのかもしれません。精神科や心療内科というのは、一度も行ったことなければ、身近な人から何か話を聞いたわけでもないのに、何故かその響きから勝手なイメージを抱いてしまう場合もあるでしょう。もしくは、自分自身で「もしかしたら…うつ病?」と感じていても、「いいや、まさか自分が!!」と無理やり頭の隅に追いやっている場合もあるかと思います。当サイトの体験談インタビューにも、「ここで交通事故に遭えば会社に行かなくても済むのに」「会社に行きたくない」と言うなど、様子がおかしくなってからも、「1ヶ月ほどのあいだ病院に行くかどうか悩んだ」とお話された40代の男性の方がいらっしゃいました。
続いて(2)の場合ですが、そもそもまるで自分自身の様子がおかしくなっていること・もしくはうつっぽいと思ってもいない場合もあります。僕自身のことで恐縮ですが、うつ病になり精神科・心療内科のクリニックに通院していましたが、初めて病院に行ったキッカケは仲の良い友人に『お前、おかしいから病院に行け』と真顔で強く言われたことでした。それまで自分自身で言動が変わっていたことに全く気づいていませんでしたし、「うつ病かも?」という発想も全くありませんでした。また、うつ病経験のある知人から聞いた話では、通院に至ったキッカケは、恋人から「様子がおかしいからカウセリングを受けろ!」と強く言われ、実際にカウンセラーの元に腕を引っ張られながら行ったことだと言います。その時点でも「うつって何?いや、俺はうつじゃないよ?」と思いながら、結果通院する流れになったそうです。その後、メールの文章が頭に入ってこなくなり読めなくなったことなどから、自分はうつ病なのだと自覚したそうです。
他の病気にも言えることだと思いますが、自ら病院に行くには、そもそも「自分はうつ病なんじゃないか?」「どこかがおかしいんじゃないか?」と、まさに前回まで取り上げていました「うつ病チェック」を自ら行うなどして疑いを深めていくという前提が必要なのでしょう。その知人の言葉を引用しますが、『初めてうつ病になった時は、自分でのセルフジャッジが非常に難しいと思う。セルフチェック・セルフケア以前の問題で、うつ病のことをそもそも知らないから、「自分がうつ病かも?」という反応にならないし、出来ない』と聞いたときは、なるほどなぁ〜と改めて思ってしまいました。
例えば、稀に海外のニュースなどで報じられます「イナゴの大群が発生!その数、数十億匹!!農作物のみに収まらず、人道危機へ!!!」というニュース。これも、そもそもイナゴすらよく知らない都会のチビッコからしたら、「イナゴって何?(写真を見ながら)これ、バッタじゃなくて?」「数十億匹って、ウソでしょ〜??」となるでしょう。そもそも知らないことから、対策に行動を移すというのは、なかなか難しいかと思います。自覚しても躊躇してしまうケースもあるくらいですから。(1)と(2)のケースどちらにせよ、『本人に「いま、ヤバイ状態なんだ」ということを自覚してもらうこと』が必要なのです。

 

ただ、身近な人だからといって、いえ、身近な人だからこそ、そう思わせることはハードルが高いと思ってしまいますよね。ですが、全てをひとりで抱え込む必要はありません。例えば、ふさわしい人に代弁者となってもらい、一度診察を受けに病院に行くことを代わりに勧めてもらうといった手段もあります。実際、僕の身近な人の様子が「うつっぽいかな?」となったとき、うつ病になった経験がある僕自身、言葉を口にするのに躊躇してしまい、共通の知人から勧めてもらうことで身近な人は病院に行くことを決め、僕は当日病院への付き添いとして付いて行ったことがありました。その時は自分を情けないなと思い反省しましたが、先ほどお話した『本人に「いま、ヤバい状態なんだ」ということを自覚してもらうこと』の目的は、何と言っても様子のおかしくなった身近な人に一刻も早く病院に足を運んでもらうことです。医療機関や医師の方の助けというのは、とても大きいものです。ですが、この第二回でお話したうつ病のチェックに関する知識や、また、何といっても身近な方の働きかけというのは、それに劣らぬ大事なものだと感じて頂ければ嬉しいです。

以上で第二回のコラムを終わらせて頂きます。よかったら、当サイトの別の記事も読んでみてくださいね。

 

 宮原直孝 一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事 1984年 長野生まれ。 会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。 転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。 現在はヘラヘラしながら、 ・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」 ・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」 ・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」 などを行う。 抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

<執筆者プロフィール>
宮原直孝
一般社団法人いっぱんじん連合 代表理事
1984年 長野生まれ。
会社員時代の09年 7月頃〜11年1月頃までうつ病により休職、その後退職。
転職活動がうまくいかない現実逃避から何となく勢いで当法人を設立。
現在はヘラヘラしながら、
・深夜に都内を集団で歩く「深夜徘徊イベント」
・ただダラダラとダベるだけの「ダベPartner活動」
・出来る事であれば何でもする「代表デリバリーサービス 〜心が弱った時に、都合の良い男〜」
などを行う。
抱えている柴犬は、よく出来ていますが木彫りです。

Categories: 用語集

Tagged in: タグ: , , , ,


「もし、あなたの大切な人がうつ病かも?と思ったら、 あなたは最初に何をしますか?」 家族のためのうつ病対策アプリ