双極性障害の維持療法の薬剤選択について

2014年 9月 24日

先日、以下のような論文が発表されました。
この内容について、精神科専門医の先生に解説していただきました。

躁うつ病の維持治療薬を全て比較しリチウムが第一選択薬であることを明らかに
http://www.zaikei.co.jp/article/20140920/214630.html

『これまでの研究のメタ解析から、現在、双極性障害治療に関する国内のガイドラインでは、リチウムが維持療法の第一選択薬とされています。

メタ解析とは、複数の比較試験の結果を統合して解析する方法です。これまでのメタ解析では、複数の薬剤を直接比較した試験の結果を統合・解析する方法がとられています。
一方、今回の研究では、最新のネットワークメタ解析の方法を用いることにより、直接的に比較されていない薬剤を含めてすべての治療選択肢の間で有効性と安全性の比較が行われました。
その結果、改めてリチウムが第一選択薬であることが確認されました。

ただし、それでは、維持療法中のすべての患者さんにリチウムが使用されるべきかというと、それほど単純ではありません。
たとえばリチウムは、心臓病や甲状腺の病気がある人は使えません。また、病相(躁とうつ)の交代が急速な場合や、重症躁病の場合などにも効きにくいことがわかっています。
このように、薬剤選択は、患者さんの症状への適応、禁忌、副作用、薬剤の保険適用の有無を総合的に勘案して決定するため、実際にはリチウム以外の薬剤が選択されることも少なくありません。

処方について疑問や不安がある場合は、そのままにせず、主治医にきちんと伝えて説明をしてもらいましょう。
治療効果を上げるためにも患者さんから進んで主治医との信頼関係を作ることが大切です。』